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    インターネットバンキングとは?法人が利用するメリットや選び方を解説

    経理業務を効率化するためのヒントが得られる
    『経理DXは6つの切り口から考える』
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    記事公開日: 2022.09.06

    法人向けのインターネットバンキングを利用する企業が増えているようです。銀行窓口やATMに出向くことなく振込などの取引ができるので、利便性の高いサービスといえます。

     

    その一方で、

     

    「聞いたことはあるけれど、インターネットバンキングって何?」とか、

    「インターネットバンキングを利用するとどのようなメリットがあるの?」など、

     

    まだインターネットバンキングをあまりご存知ではない経営者の方もいるようです。

     

    そこで今回は、基本的なことを中心に、インターネットバンキングとは何か、インターネットバンキングで何ができるのか、法人が利用するメリットやインターネットバンキングの選び方など、インターネットバンキングについてわかりやすく解説します。

    1.インターネットバンキングとは?

    インターネットバンキングとは、インターネットを使用してオンラインで利用できる金融取引サービスをいいます。パソコンやスマートフォンからアクセスしますが、インターネットバンキングを利用すると、預金残高の確認や振込など従来は銀行窓口やATMに出向いておこなっていた取引が、場所と時間にとらわれずにどこにいても可能となるのです。利便性が高いことから、個人だけではなく法人のあいだでも利用が拡大しています。

    インターネットバンキングでできること

    銀行によってインターネットバンキングでできることには差異がありますが、一般的に下記のような取引が可能です。

     

    ・残高・明細照会

    ・振込・振替

    ・総合振込、給与・賞与振込

    ・定期預金(預入・解約)

    ・税金・各種料金の支払い

    ・住所変更

    ・振込上限金額・利用限度額変更

    ・カード紛失・破損時の利用停止

     

    このほか、振込・振替の予約機能や明細のダウンロード、入金・出金があるとメールが届くサービスなどを提供するインターネットバンキングもあります。

    インターネットバンキングが利用できる銀行

    現在は、ほとんどの銀行でインターネットバンキングの利用が可能です。法人がインターネットバンキングの利用を開始する方法として、2つのパターンが考えられます。1つ目は、都市銀行・地方銀行・ゆうちょ銀行などの支店に現在利用している口座があれば、その口座でインターネットバンキングの利用を申し込む方法です。2つ目はインターネット上でのみサービスの提供を行うインターネット専業銀行(ネット銀行)に口座を新しく開設する方法です。

    インターネットバンキングとネット銀行の違い

    インターネットバンキングというと、ネット銀行と間違われる方がいますが、インターネットバンキングとネット銀行は別の概念です。インターネットバンキングとは、都市銀行・地方銀行・ゆうちょ銀行などの従来からある銀行も提供している、オンラインの金融取引サービスをいいます。一方のネット銀行とは、実店舗の支店がなく、インターネット上でのサービス提供に特化した銀行のことです。紙の通帳が発行されないことや、専用ATMがない場合が多く、提携ATMを利用して現金を入金・出金することも特徴といえます。

    2.インターネットバンキングのセキュリティ

    インターネット上での取引で、まず気になるのがセキュリティの問題でしょう。各金融機関もセキュリティ対策には力を入れており、利用者が安心して使うことができるような仕組みが整えられています。例えば、ログインや振込など取引の際には、スマートフォンと連携したワンタイムパスワードを利用します。ワンタイムパスワードとは使い捨てのパスワードのことで、一定時間が過ぎると無効になります。そのため、同じパスワードを再利用することができず、第三者によってパスワードが不正利用されるリスクが軽減されます。

    3.インターネットバンキングのメリット

    インターネットバンキングを利用すると、さまざまな取引がインターネット上で完結するため、銀行窓口やATMの利用と比べて高い利便性があります。企業にとっては、法人向けのインターネットバンキングを導入することで、業務の効率化が期待できるでしょう。ここでは、インターネットバンキングを利用することの具体的なメリットを紹介します。

    銀行窓口やATMへ出向く手間が省け時間が節約できる

    インターネットがあればどこにいても、パソコンやスマートフォンからアクセスできるため、銀行窓口やATMまで出向く手間が省けて、移動時間の節約になります。また、月末など振込業務が集中する時期の金融機関では、長い待ち時間が発生するものですが、インターネットバンキングには待ち時間がなく、スムーズに取引が完了します。そのうえ、インターネットバンキングは、銀行窓口の営業時間外でも利用することができるため、時間を気にせずに、金融取引ができることもメリットです。

    会計ソフトとの連携により経理業務が効率化できる

    多くの会計ソフトはインターネットバンキングと連携することができます。会計ソフトをインターネットバンキングと連携させ、振込などの取引データを会計ソフトに取り込み、自動で仕分け処理をすれば、手入力と比べて処理速度が上がり、入力ミスもなくなるので経理業務が大幅に効率化されます。また、総合振込や給与・賞与振込のために、会計ソフトで作成したデータを利用して、大量の送金データを作成することも可能です。

    安価な手数料で経費が削減できる

    インターネットバンキングを利用すると、安価な取引手数料で経費を削減できます。これは、インターネットバンキングの取引手数料が、銀行窓口やATMを利用した場合の取引手数料と比べて安価に設定されているためです。1件当たりの手数料の差は数十円から数百円程度かもしれませんが、少額の差であったとしても、取引件数が多くなれば大きな差になります。ただし、インターネットバンキングの利用自体に月額料金がかかることもあるため、総合的な判断が必要です。

    4.法人向けインターネットバンキングの選び方

    それでは、法人向けのインターネットバンキングを選ぶ際には、何を基準にして選ぶとよいのか、法人向けインターネットバンキングの選び方を解説します。法人の場合、銀行から融資を受けるのであれば、一定の取引があることが必要になるでしょう。そのため、融資を受けている取引銀行のインターネットバンキングがまずは候補にあがります。その上で、以下にあげるポイントをおさえて、インターネットバンキングを選びます。

    手数料が安価な設定か

    インターネットバンキングの取引手数料は、銀行窓口やATMを利用する場合と比べて安価に設定されていますが、金額は金融機関によって異なります。また、法人向けインターネットバンキングでは、多くの金融機関で、初期費用や月額利用料がかかります。そのため、振込手数料だけではなく、月額利用料も含めた年間の費用を算出して検討しましょう。振込などの取引を利用しなくても、月額利用料はかかるため、注意が必要です。

    CSVファイルなどによる振込方法に対応しているか

    総合振込や給与・賞与振込で大量に送金を行う際のデータ作成に、CSVファイルなど希望するフォーマットでのファイル取り込みに対応しているかを確認しましょう。インターネットバンキングを利用するメリットの一つは業務の効率化です。振込を依頼する際に一件ずつ処理をするのでは、ATMを操作するのと変わらず、インターネットバンキングのメリットを生かせていません。業務を効率化できるかがポイントです。

    使用している会計ソフトと連携できるか

    会計ソフトとの連携を検討しているのであれば、使用している会計ソフトが連携できる金融機関であるかどうかを確認することが必要です。特にAPI連携に対応していることが重要で、API連携であれば、会計ソフトとの連携がより安全にかつ安定して利用することができます。API連携とは、会計ソフトなどを取り扱う業者に対して、IDやログインパスワードを預けることなく、残高や入出金明細などの情報を連携するサービスをいいます。

    5.インターネットバンキングの始め方

    インターネットバンキングを始めるためには、既に口座を持っている銀行でインターネットバンキングを申し込む方法と、ネット銀行に新しく口座を開設する方法があります。ここでは、既に口座を持っている銀行での一般的な手順を紹介します。

     

    1. インターネットバンキングの利用申込をする(Webまたは銀行窓口)
    2. 申込書類を提出する
    3. 郵送でIDが発行される
    4. 利用を開始する

     

    このような流れで進みますが、申込方法は金融機関によって異なります。各金融機関のウェブサイトにある法人向けインターネットバンキングのページには、申込方法が記載されていますので、まずは既に口座を持っている銀行のウェブサイトで確認をしてみるとよいでしょう。

    6.インターネットバンキング利用時の注意点

    利便性の高いインターネットバンキングですが、利用時には注意しなければならないことがあります。最後に、インターネットバンキング利用時の注意点について紹介します。

    ID・パスワードの漏洩や紛失

    IDとパスワードの漏洩や紛失には細心の注意を払わなければなりません。IDとパスワードがあれば、誰でもインターネットバンキングにログインができ、取引できてしまう可能性があるからです。そのため、IDとパスワードは厳重に管理しましょう。たとえ社内の担当部署内であっても、IDとパスワードを扱える人をあらかじめ決めて、それ以外の人が知ることがないようにするべきです。IDとパスワードを何かにメモして保管する場合も、メモの保管場所に気を付けなければなりません。一方で、IDやパスワードを紛失してしまうとインターネットバンキングにログインできなくなってしまうため、こちらも注意が必要です。

    フィッシング詐欺

    フィッシング詐欺が横行していることを念頭に置き、さまざまな方法でIDとパスワードが狙われていることを意識します。正規のインターネットバンキングに酷似した偽のサイトが作られ、IDとパスワードを入力させるなど、フィッシング詐欺であることに簡単には気づけないようなケースもあります。メールの差出人が銀行であっても信用せず、安易にリンクをクリックしないことを担当者には繰り返し周知をしたうえで、セキュリティ対策ソフトも導入して万全の対策をしておきましょう。

    まとめ

    インターネットバンキングとは、インターネットを使用してオンラインで利用できる金融取引サービスであることを解説しました。業務効率化や経費削減など、法人にとってメリットの多いサービスですので、まずは取引のある金融機関の法人向けインターネットバンキングを調べ、サービス内容や費用を検討してみるとよいでしょう。利用を開始する際には、利用時の注意点について事前に把握するようにします。インターネットバンキングの利用には注意しなければならないことがありますが、注意点を担当者で共有し、事前にしっかりとしたセキュリティ対策を取れば、リスクを抑えることが可能です。

     

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