「無借金経営だと実績が無いから、いざという時に借入ができない」
こんな主張をするコンサルタントの方がいたら、あなたはどう思いますか?
多くの中小企業は金融機関から借り入れを行って経営をしているため、そのように言われると「だったら、うちの経営は正しいということか!」と思いたくなるものです。
しかし、この主張を鵜呑みにするのは非常に危険で、会社の舵取りを大きく誤ってしまう可能性があります。
今回は、これまで3,000社あまりの企業をご支援させて頂いてきた観点から、無借金経営は危険か否かについて解説していきます。
銀行は無借金の会社にこそお金を貸したい
結論から申し上げると、「無借金経営だとお金を貸してもらえない」という主張は的外れだと言わざるを得ません。
それは、銀行のビジネスモデルを考えれば明らかです。銀行は会社にお金を預け、その代わりに金利を徴収します。また、元本の返済もしてもらう必要があるため、基本的には「貸したお金が返ってくるか」という視点で融資をするか判断します。
つまり、銀行にお金を貸してもらえないのは無借金の場合ではなく、貸したお金を返せなくなるリスクが高いと判断された場合です。より具体的には、以下のような項目が当てはまる会社ほど危険性が高いと言えます。
- 1.預金が少ない
- 2.支払手形を持っている
- 3.借金が多い
実際に、これまで3,000社の支援をしてきた中で、無借金だから倒産したという企業は1社もありません(廃業を除く)。むしろ、無借金の会社は銀行からお金を貸したいと思われています。ただし、預金が少なければ返済のリスクがあると見られてしまうため、顧問先に助言するのであれば、借金が少なく預金を多くするような指導が望ましいと言えるでしょう。
顧問先にお伝えする財務の指標
ちなみに、古田土会計では、初めに目指すべき財務の指標として「自己資本比率30%で、現預金が借入金よりも多い状態」を多くの会社さんにご提案しています。もっと言えば、自己資本比率が33%、支払手形や買掛金などの信用債務が33%、借入金などの金融債務が33%といった3分の1ずつが望ましいです。
その状態で総資産に占める現預金の割合が33%を超えれば、バランスの取れた「実質無借金」の状態になることができます。財務の本質とは、借入金を減らしながら現預金を増やしていき、現預金が借入金を上回る状態に保ったうえで、この差額を毎年増やしていくことです。
このような数字の見方をお伝えすることで、顧問先からの信頼を得ることができます。
※古田土 満の著書『会社を潰す 社長の財務!勘違い』より一部抜粋
無借金・実質無借金への8ステップをプレゼントします
今回は、「無借金経営だとお金を貸してもらえないのか」という視点で解説をしてきました。繰り返しになりますが、銀行は無借金の会社にこそお金を貸したいと思っています。
ただし、預金が少なければ返済のリスクがあるとみなされ、お金を貸してもらえないケースはあります。ですから、本当に良い会社というのは、借金が少なく、預金の多い会社であるという事はぜひ押さえておいてください。
顧問先の会社が財務的にどのような状況にあるのか、次にどこを目指していけばいいのかが分かる「無借金・実質無借金への8段階」を無料でプレゼントしております。
ぜひ、こちらを活用いただき、顧問先が借金が少なく預金の多い財務体質になるよう、ご助言を差し上げてはいかがでしょうか。
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